デザイン思考とコミュニケーション思考
40にもなって、改めて留学するなどという無謀な挑戦、
改めてその意味とか考える時間もできたので、ちょっと書きながら整理できたらなと。
それと、日々学んでいることも少しづつまとめていければと思います。
留学を決める際に、デザイン系のスクールを選んだ一番の理由となったワードがまさに、デザインシンキング(デザイン思考)です。
その言葉そのものは、すでに改めて説明する必要もないと思いますが、この考え方がとても背中を押してくれたし、いろいろ考えるきっかけをくれた発想法です。
デザイン思考って、その体系化された考え方が(当時)新しくて、非デザイン系を含む「なにかあたらしいことをつくりだしたい」人や組織に、とても適した思考方法だと思う。それは、今もとても役立つものだと思ってます。
ただ、広告の世界に長くいた自分が、イタリアでデザイン思考について、改めて考える時いつも疑問に思うことが、デザイン思考の短くも長い熟考の末に生み出されたデザインや、サービス、もしくはプロダクトなどなどのそれが、果たして世の中に受け入れられているのか。もっといえば、少しはヒットしたのかどうか。
ヒットする。って言葉にいろいろと理解が分かれるとは思うけれど、一言でいえば、届いたかどうか。に尽きると思う。デザイン思考では、その点はあまり語られていない気がする。もちろん、それを判断するのは市場だから「わらかん」が答えではあるのだけれど。
例えば、どんなに素敵な映像をyoutubeにあげたところで、観られなければ意味がない。一方で、ピコ太郎さんのように、戦略もなくいきなりドンっと認知されることもある。この落差が、この博打加減がデザイン業界(世の中を面白くするという意味でのデザイン業界)にいる人たちが、みんな好きなヒリヒリ感じゃーないかな。とても疲れるけど、とても楽しい理由はそこにある。
何が言いたいかと言うと、どれだけ時間をかけて、デザイン思考のスペシャリストを集めて作ったサービスやデザインでも、結局は「ヒリヒリした賭け」である事には変わりはないのかなと思うのです。
もちろん、成功の軸をどこに置くかによっては変わってくるし、成功の精度は格段に上がることは間違いない。
その上に、チームで何かをビルドするときにとても役に立つメソッドだと思う。
一方で、デザイン思考の果て(最後に考えることとして)に語られがちなコミュニケーションの分野。
ファネルの出口の役割と捉えられがちだけれど、デザイン思考を突き詰めて考えると、そのメソッドに加えて、コミュニケーションがとても重要なファクトなんじゃないかと改めて考えさせられる。
つまり、デザイン思考を経たアウトプットも、最終的にはコミュニケーションにバトンタッチすることがほとんどだと思うのだけど、本当にそれっていいこと?と最近思う。
まさに広告業界にいて、やっていることは、アウトプットを世の中にわかりやすく伝えるということの繰り返し。
なんだろう、コミュニケーションの分野にいる自分が悲しくなってきたw
このデザインスクールでは、デザイン思考からアウトプットまでワンストップで考えるプロジェクトが多いので、私の存在も(少しは)役に立っているし、考える思考法がデザイナーやビジネスパーソンのそれとも違うので、とても珍しがられていると感じる。
それはひとえに、私がコミュニケーションのバックグラウンドであり、日々のプロジェクトの進行においても、そのバックグランドに頼っている部分が多分にあるから、他の人と異なっているのではないかと思う。
もちろん一方で、長すぎる経験値が邪魔をして、早くゴールに近づけるために回り道を避けないように努力もしつつですが、、、(これが一番難しいw)
そんな日々で改めて、コミュニケーション思考ってことを考えている。
デザイン思考という体型されつつあるプロトタイピングアイデアメイキングに、コミュニケーションスキルのあるメンバーが加われば、さらに成功する精度があがるのではないかと思う。
デザインシンキング ➕ コミュニケーションシンキング ってこと。
コミュニケーションの視点を入れながら、デザインシンキングを改めて体系化すると、ブレストにおける言葉の選び方や、メンバー内での資料の作り方、クライアントへのプレゼンの方法含めて、変わってくるような気がするのです。
すでに、とても優秀と言われる人たちは、自然とこういう動き方をしていて、実践をして大きな実績を残しているので、偉そうなことを言うつもりはさらさらなく、、、
私のような下級コミュニケーション戦士でも、戦えるフィールドが増えるのではないかと思うと、日々嬉しくなっているので、書き綴った次第。
まだまだ、固まっていないけれど「コミュニケーション思考」について、
うまく表現できるように日々のプロジェクトとレクチャーを頑張っていければと。